はじめに|電波は立っているのに、なぜ遅い?
- Aさん
- Wi-Fiのアンテナは全部立っているのに、ネットが全然つながらない…
- Bさん
- 動画が止まってしまって地味にイライラする…
通勤・通学の満員電車。スマホでSNSを見たり、動画を再生したりしようとして、こんな経験はありませんか?
「これは気のせい?」と思うかもしれませんが、実はこれ、無線通信の仕組みを知ると理由がハッキリわかります。
本記事では、 Wi-Fiやスマホ通信が「満員電車」で遅くなる仕組み を、初心者にも分かりやすく解説します。
Wi-Fiとは?無線通信の基本
有線から無線へ
もともとインターネット接続は「LANケーブル」を使った有線接続が主流でした。
ケーブルは物理的につながっているため、基本的に安定して高速です。
ところが、スマホやノートPCの普及で「ケーブルが邪魔」「場所を選ばずに使いたい」というニーズが高まりました。
そこで登場したのが Wi-Fi=無線LAN です。
無線通信の仕組み
無線通信は、電波(電磁波)を利用してデータを飛ばす技術です。
音声や画像などのデータは「0101…」といったデジタル信号に変換され、電波の強弱や変調方法で送り出されます。
- 送信側(Wi-Fiルーター):データを電波に変換して発射
- 受信側(スマホ・PC):電波を受け取り、再びデータに変換
このやり取りを超高速で繰り返すことで、私たちはインターネットを使えるのです。
無線の特徴:便利だけど混みやすい
無線通信には、有線にはない特徴があります。
- 障害物に弱い
壁や人の体でも減衰する。 - 同じ周波数帯を共有する
同じ“道路”をみんなで使うので混みやすい。 - 同時に処理できる数に限界がある
一度に大量の通信が来ると処理が追いつかなくなる。
この性質こそが、「満員電車でスマホが遅い」理由に直結します。
満員電車=通信の渋滞
電波が強くても通信が遅いのは、「満員電車」と同じ現象です。
- 電波の強さ=駅までの道が空いているかどうか
- 通信速度=電車に乗れるスピード
駅までは順調にたどり着けても、ホームが満員で電車に乗れないと、先に進めません。
実際の通信では?
- 同じ基地局を大勢が利用
朝の通勤時間は同じ場所に人が集中 → 基地局が処理しきれず遅くなる。 - 大きなデータの利用が多い
動画視聴やアプリ更新は“大きな荷物を持った乗客”。その分、電車の乗降に時間がかかる。 - 電波干渉
狭い空間で多くのスマホが通信 → 電波同士がぶつかって再送信が増える。
技術的な仕組み:なぜ混むのか?
無線通信は「専用回線」ではなく「共有のリソース」。
例:電波のチャンネル
Wi-Fiやスマホ通信は「周波数帯」というチャンネルを使っています。
一つのチャンネルに同時接続が増えると、順番待ち(遅延) が発生。
スマホ通信(4G/5G)
- 基地局とスマホが「同じ道路」を共有
- 利用者が多いと“帯域幅”が分割され、1人あたりの速度が低下
Wi-Fi通信
- 2.4GHz帯は「混雑した各駅停車の路線」
- 5GHz帯は「比較的空いている急行路線」
- Wi-Fi 6/7では「電車のドアを増やして乗降をスムーズに」する工夫が導入されている
「電波満タンなのに遅い」のチェックポイント
- 時間帯を確認
朝夕のラッシュ時は必然的に遅い。 - 使っている周波数帯を確認
→ 可能なら5GHzや6GHzに切り替える。 - 端末側の負荷を確認
バックグラウンドでアプリ更新していないか? - ルーターや基地局からの距離
近いのに遅ければ“混雑”が原因の可能性大。
改善の工夫
- 満員電車では「通信量の大きい動画」は避ける
- 自宅のWi-Fiでは「最新規格ルーター」を使う
- 公衆Wi-Fiは「VPN」で安全性も確保
- プロバイダ契約を見直すことで混雑回避も可能
まとめ
- 無線通信は「共有の道路」。混雑すれば必然的に遅くなる
- 満員電車でスマホが重いのは気のせいではなく“仕組み上の必然”
- 対策は「時間」「周波数」「機器の最適化」で改善できる
ご相談ください|「電波は強いのにネットが遅い…」そんな時に
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