はじめに|“サブネットマスク”って聞いたことありますか?
- Aさん
 - IPアドレスは聞いたことあるけど、“サブネットマスク”ってなに?
 - Bさん
 - ネットワークの設定画面で出てくるけど、正直よく分からないんだよね…
 
ITの世界ではおなじみの言葉ですが、一般的にはピンと来ない「サブネットマスク」。
しかしこの仕組み、実はあなたのスマホやパソコンが正しくインターネットにつながるために欠かせない要素なんです。
今回は、「なぜ“マスク(mask)”と呼ばれているのか?」を中心に、仕組みや役割を分かりやすく解説します!
サブネットマスクとは?
IPアドレスの「住所」と「番地」を分けるマスク
まずは基本から。
インターネット上で機器を識別するために使われる「IPアドレス」。
たとえば「192.168.1.10」といった数字の並びを見たことがある方も多いでしょう。
しかしこの数字、実は“2つの情報”を持っています。
- ネットワーク(どのグループに属しているか)
 - ホスト(そのグループ内のどの機器か)
 
ここで登場するのが「サブネットマスク」です。
IPアドレスのうち、どこまでが“ネットワーク部分”で、どこからが“ホスト部分”なのか”を示す仕組みなのです。
「マスク」ってどういう意味?
データの一部を“隠す”役割
「マスク」という言葉には“隠す”という意味があります。
つまりサブネットマスクは、IPアドレスの一部を“覆い隠す”ことで、「この部分はネットワーク情報ですよ」と教えてくれるのです。
たとえば——
| IPアドレス | サブネットマスク | 結果 | 
|---|---|---|
| 192.168.1.10 | 255.255.255.0 | ネットワーク:192.168.1/ホスト:10 | 
この例では、「255.255.255.0」がマスク部分。
“255”と書かれている部分がネットワークを示し、最後の“0”がホストを表します。
これにより、同じネットワーク内の機器同士(たとえば192.168.1.5と192.168.1.10)はお互い通信できる仕組みです。
サブネットとは何か?
大きなネットワークを分割する“区画整理”
企業や学校のネットワークでは、すべての機器をひとつの大きなグループにしてしまうと管理が大変になります。
トラブル時に原因を特定しづらく、通信も混雑しやすくなるためです。
そこで使われるのが「サブネット」。
サブネットマスクを使って、1つの大きなネットワークを小さく分割(サブ=部分)し、効率的に管理できるようにします。
たとえば、同じ社内に「営業部」「経理部」「開発部」があるとします。
すべてのPCを1つのネットワークでつないでしまうと、誰がどの機器にアクセスしているのか分かりにくく、セキュリティの面でもリスクが増えます。
そこで、部署ごとにサブネットを分けておくと、通信を整理できて管理もラクになります。
なんで「255」ばかりなの?
2進数で考えると見えてくる!
サブネットマスクの数字は、実は2進数(0と1の組み合わせ)で管理されています。
255を2進数で表すと「11111111」。
つまり「1」が続いている部分がネットワーク、「0」が続いている部分がホストを意味します。
例:
- 255.255.255.0 → 11111111.11111111.11111111.00000000
→ 最後の8ビットがホスト部分。つまり256個のアドレスが利用可能! 
このように、マスクは「どこまでがネットワークなのか」を0と1で区切っているのです。
CIDR(サイダー)表記とは?
最近では「255.255.255.0」ではなく、「192.168.1.10/24」と書かれることもあります。
この「/24」というのは、“ネットワーク部分が24ビット”という意味。
つまり255.255.255.0と同じです。
CIDR(Classless Inter-Domain Routing)という方式で、より柔軟にネットワークを分割できるのが特徴です。
サブネットマスクを理解すると何がいいの?
ネットワークトラブルに強くなる!
Wi-Fiがつながらない、ネットが遅い、社内の共有サーバーが見えない……。
そんな時、サブネットマスクを理解していれば、「通信できない原因がネットワーク設定にあるのか」を見極めるヒントになります。
たとえば——
- IPアドレスが192.168.1.10
 - サブネットマスクが255.255.255.0
 - 相手のPCが192.168.2.10
 
この場合、ネットワーク部分が異なる(1と2)ため、直接通信できません。
「同じLANなのに届かない…」というトラブルの正体はこれ、というケースが多いのです。
もう少し深掘り:「クラスA/B/C」って?
昔のネットワークは「クラスA」「クラスB」「クラスC」という分類で管理されていました。
それぞれ「どれくらいの数の機器を管理するか」で分けられています。
| クラス | ネットワーク部 | ホスト部 | 代表的な範囲 | 
|---|---|---|---|
| A | 8ビット | 24ビット | 10.0.0.0〜10.255.255.255 | 
| B | 16ビット | 16ビット | 172.16.0.0〜172.31.255.255 | 
| C | 24ビット | 8ビット | 192.168.0.0〜192.168.255.255 | 
この考え方が発展して、「サブネットマスク」や「CIDR」という柔軟な表記が使われるようになったのです。
まとめ
| 用語 | 意味 | 
|---|---|
| IPアドレス | ネット上の“住所” | 
| サブネットマスク | 住所のうち、どこまでが「地域(ネットワーク)」かを区切るマスク | 
| サブネット | ネットワークを小さく分けた「町内会」みたいなもの | 
| CIDR表記 | サブネットマスクを“ビット数”で表す新しい書き方 | 
サブネットマスクは、「難しそう」に見えてネットワークを整理整頓するための線引きツールです。
「なんで通信できないの?」と思ったとき、マスクの設定を一度見てみると、意外と簡単に原因が分かることもあります。
ご相談ください|「ネットがつながらない」「設定しても通信できない」そんな時に
- ルーターの設定画面で「サブネットマスク」や「IPアドレス」が分からない
 - 同じネットワークにいるはずなのに、社内PCと通信できない
 - 自宅やオフィスのネットワークを整理したいけど、どこから手をつければいいか不安
 - 部署ごとにネットワークを分けたいけど、安全な設定方法が分からない
 - ネットワーク全体を見直して、効率的な構成にしたい
 
当社では、「困った時に駆け込める、情報システムのかかりつけ医。」として、幅広くサポートいたします!
まずはお気軽にご相談ください♪
私たちと一緒に働いてみませんか?
インフラ・ネットワーク・クラウド──
あなたの技術が、お客様の課題解決に直結します。