はじめに|「障害報告」どう聞けばいいの?
- Aさん
- システムが動かないんです!すぐに直してください!
- Bさん
- え?具体的にどんな状況なんですか?
システムやアプリが「動かない!」と連絡を受けたとき、あなたはどう対応していますか?
「とにかくすぐ直さなきゃ!」と焦ってしまう人も多いかもしれません。ですが、いきなり対処に入ると原因がわからず、余計に時間を浪費することもあります。
まず重要なのは「ヒアリング」。つまり、状況を整理するために必要な質問を投げかけることです。
この記事では、ITに詳しくない人でもすぐに実践できる「障害発生時の基本的な聞き取り内容」について、分かりやすく解説します!
なぜヒアリングが必要なのか?
システム障害やPCトラブルは、原因が一つとは限りません。
- ネットワークの問題
- サーバーやクラウド側の障害
- ユーザーの操作ミス
- ソフトウェアやハードウェアの不具合
これらが複雑に絡み合って「不具合」として現れます。
つまり、「動かない」という一言だけでは、どこに問題があるのかは特定できません。
最初のヒアリングで正しく状況を把握できれば、解決までの時間を大幅に短縮できます。
まず確認すべきヒアリング項目
1. いつから問題が発生していますか?
- 発生したのは「今日の朝から」なのか「昨日の夜から」なのか。
- 突然起きたのか、徐々に不調になったのか。
障害が起きたタイミングを知ることで、「システム更新直後の不具合」や「ネットワーク障害の発生時間」と突き合わせることができます。
2. 誰が・どの環境で利用していますか?
- PCなのか、スマホなのか。
- 社内ネットワークからか、自宅のWi-Fiからか。
- 全員で発生しているのか、一部の人だけか。
「全社的に起きているか」「個人の環境だけか」を切り分けるのは、原因追及の第一歩です。
3. 具体的に何ができないのですか?
「使えない」だけでは曖昧すぎます。
- ログインができないのか?
- 表示が遅いのか?
- エラーメッセージが出ているのか?
どの動作で止まっているのかを聞くことで、原因の絞り込みができます。
4. エラーメッセージや画面表示はありますか?
- 「サーバーに接続できません」
- 「パスワードが違います」
- 画面が真っ白になる
これらの情報は、障害原因を特定する“ヒント”になります。スクリーンショットをもらうのも効果的です。
5. 他のサービスや端末ではどうですか?
- 別のPCやスマホで試しても同じか?
- 他のシステムやサイトは使えるのか?
「そのシステム固有の問題」か「ネットワーク全体の問題」かを切り分けることができます。
6. 最近、環境に変更はありましたか?
- PCを再起動した、更新プログラムを入れた
- 新しいWi-Fiルーターに交換した
- アプリをバージョンアップした
トラブルは「直前の変化」が引き金になることが多いため、ここも必ず確認しましょう。
よくあるヒアリングの失敗例
- 「大丈夫ですか?」と曖昧に聞く → 情報が集まらない
- 専門用語を多用する → 相手が理解できず混乱する
- 質問を飛ばしてすぐ対応に入る → 無駄な切り分け作業が発生
大切なのは、シンプルな言葉で具体的に聞くことです。
ヒアリングを効率化するための工夫
チェックリストを準備する
現場で慌てないために、あらかじめ「質問リスト」を用意しておきましょう。
紙1枚でも、チャットの定型文でも構いません。
再現テストを依頼する
「もう一度やってみてもらえますか?」と依頼することで、再現性の有無が分かります。
コミュニケーションを記録する
聞いた内容はメモやチケット管理ツールに残しておくことで、後からの分析や再発防止にも役立ちます。
トレンド|最近増えている障害の背景
最近では以下のような要因による障害報告が増えています。
- クラウドサービス障害:外部のサービス側で発生し、利用者には手が出せないケース。
- リモートワーク環境の多様化:家庭用Wi-Fiの不安定さやVPNトラブル。
- セキュリティ強化に伴う影響:多要素認証やアクセス制御の導入によるログイントラブル。
これらもヒアリング時に頭に入れておくと、よりスムーズに切り分けができます。
まとめ
- 障害対応の第一歩は「ヒアリング」
- 5W1Hを意識して状況を具体的に聞く
- 曖昧な「使えない」ではなく「どこで・何が・どうできないか」を引き出す
- 最近はクラウド障害やリモート環境の影響も増えている
焦らず聞き取りを行うことで、原因究明もスピードアップします。
障害対応は「火消し役」としてプレッシャーがかかります。ですが、最初の数分で正しい質問ができるかどうかで、その後の展開は大きく変わります!
ご相談ください|「障害報告を受けても、どう聞けばいいかわからない」そんな時に
- マニュアルや教育が整っておらず、初動対応が人によってバラバラになっている
- 障害対応が属人化していて、担当者不在時に止まってしまう
- チェックリスト化や標準化を進めたいが、何から始めればいいか不安
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