はじめに|「テザリングが繋がらない…」をやさしく・確実に直す
- Aさん
- カフェでPCをつなぎたいのに、スマホのテザリングに繋がらない…
- Bさん
- 設定は合ってるはずなのに、なぜ?
外出先や在宅勤務で便利なテザリング(スマホのインターネット共有)。ところが、いざというときに繋がらないことがあります。
本記事は、ITが苦手な方でも手順通りに直せるように、原因→対策をシンプルにまとめました。
最初と最後の構成は、当社ブログの読みやすい形式に合わせています(参考:インターネット=世界規模の通信網、Wi-Fi=無線で繋ぐための規格という整理)。
まず結論(超要約)
テザリング不調の原因は、だいたい次の4つのどれかです。
- スマホ側:インターネット自体に繋がっていない/テザリング設定・上限・省電力で停止
- PC側:Wi-Fi/USB/Bluetoothの設定ミスやドライバー不調、セキュリティ設定でブロック
- 電波・周囲:混雑・干渉・距離・周波数帯の不一致
- 契約・ルール:通信プランのテザリング上限や管理ポリシーの制限
迷ったら「スマホは普通にネットできるか?」→「他の端末でも試す」→「接続方式を変える」の順で切り分けましょう。
30秒でわかる|テザリングの仕組み
- スマホが小さなルーターの役割をして、PCにインターネット回線を分けます。
- つなぎ方は3種類:
- Wi-Fiテザリング…いちばん一般的。速く、複数台OK。
- USBテザリング…安定・高速・給電しながら使える。ケーブル必須。
- Bluetoothテザリング…省電力。近距離・速度は控えめ。
ポイント:Wi-Fiは「無線でつなぐ方法」の名前で、インターネットそのものではありません。
今すぐ試す「かんたんチェック」10連発(所要3分)
- スマホ単体でネット閲覧ができるか(モバイル回線自体が死んでいないか)。
- スマホのテザリング/インターネット共有のスイッチを一度OFF→ON。
- 機内モードがONになっていないか(なっていたらOFF)。
- 省電力モード・データセーバーが有効で、テザリングが自動停止していないか。
- データ容量上限/テザリング上限に達していないか(契約・一時制限)。
- Wi-Fiのパスワードが正しいか(打ち直し/QR接続)。
- PC側でそのネットワークを「削除(忘れる)」→再接続。
- 距離を2〜3m以内にして障害物を減らす。
- USBの場合:ケーブルを純正・データ対応に変更、別のUSBポートで試す。
- 両方を再起動(スマホ→PCの順)。
原因と対策|スマホ側に多いもの
1. モバイル回線の不調・圏外・混雑
- 症状:スマホ単体でもページが開かない/極端に遅い。
- 対策:場所を移動、建物の外や窓際へ。通信が混む時間帯を避ける。一度機内モードON→OFF。
2. テザリング設定の上限・自動停止
- 症状:しばらく使うと勝手に切れる/最大接続台数に到達。
- 対策:最大接続数を確認、不要な端末の接続を切る。省電力/自動オフの設定を無効化。
3. 周波数帯の不一致(2.4GHz / 5GHz)
- 症状:PCにネットワーク名が出ない/片方の機器だけ見えない。
- 対策:スマホのテザリング周波数を2.4GHzにすると互換性が上がります。電波干渉が多い環境では5GHzも試す。
4. セキュリティ・認証方式の非対応
- 症状:パスワード合っているのに接続エラー。
- 対策:スマホ側の暗号化方式を変更(より一般的な方式に)。SSIDを非公開にしないで接続を確認。
5. 通信プランの制限・一時規制
- 症状:特定の条件でのみ繋がらない/速度が極端に落ちる。
- 対策:テザリングオプションの加入状況や容量上限を確認。残量が少ない場合は追加購入や翌月まで待機。
原因と対策|PC側に多いもの
1. Wi-Fiの基本設定ミス
- 症状:ネットワーク名が見えない/接続ループ。
- 対策:Wi-FiスイッチON、機内モードOFF、ネットワークを削除→再接続。別の端末でも同じ症状か確認。
2. 既存のネットワーク優先・VPN/プロキシ
- 症状:繋がるが通信できない/社内サイトだけ見える。
- 対策:一時的にVPN/プロキシをOFF。他の回線(有線や別Wi-Fi)を切断し、テザリングを最優先に。
3. セキュリティソフト・ファイアウォール
- 症状:Wi-Fiには繋がるがブラウジング不可。
- 対策:保護の一時停止やネットワーク許可の見直し。管理PCはIT管理者のポリシーに従う。
4. ドライバー不調・OS更新
- 症状:急に繋がらなくなった/特定方式だけ不可。
- 対策:Wi-Fi/Bluetooth/USBテザリング用ドライバーを更新。OSアップデート後は再起動。
接続方式別の「あるある」対処
Wi-Fiテザリング
- 見えない:周波数帯を2.4GHzへ、SSIDを公開、距離を縮める。
- 遅い:5GHzへ切り替え、同時接続台数を減らす、省電力OFF。
- すぐ切れる:自動オフ設定を見直し、充電しながら利用。
USBテザリング
- 認識しない:データ対応ケーブルで差し替え、別ポートへ。スマホのUSB使用モードを確認。
- 不安定:ケーブルが長すぎ・断線気味。短く品質の良いケーブルに。PCのドライバー更新。
Bluetoothテザリング
- 繋がるが遅い:仕様上速度は控えめ。軽い作業向け。
- ペアリング失敗:双方でペアリング情報を削除→再ペアリング、近距離で再試行。
5ステップ診断フロー(保存版)
- スマホ単体で通信できる?(×なら場所移動/機内モード切替/再起動)
- 別端末で試す(別PCやタブレット)。スマホ側の問題かPC側かを判定。
- 接続方式を変更(Wi-Fi→USB→Bluetoothの順で検証)。
- 設定を初期化(PCの該当ネットワークを削除、スマホのテザリング設定を作り直し)。
- 契約・制限・ポリシー(上限や業務端末の管理制限)を確認。
よくある「見落とし」チェック
- スマホの時刻ズレで認証に失敗している → 自動時刻設定をON。
- 接続数の上限(例:1〜2台)に達している → 使っていない端末を切断。
- 名前が似たSSIDに接続 → 自分のスマホ名をわかりやすく変更。
- 隣席のテザリングが強い → 周波数を切替え、電波干渉を避ける。
- PCの省電力で無線が休止 → 電源設定で無線の省電力を無効。
トラブルが続くときの「かんたん技術メモ」
専門用語は最低限で。困ったらこの意味だけ覚えましょう。
- SSID:Wi-Fiの「名前」。間違うと他人の回線に繋ぎにいきます。
- 暗号化方式:パスワードの守り方。一般的な方式に合わせるとつながりやすい。
- NAT:スマホがPCに住所を配る仕組み。再起動で直ることが多い。
- DNS:サイト名→住所に変換する係。アクセス不能なら再接続で設定を取り直す。
それでも解決しない場合
- 業務PC:組織のセキュリティポリシーでテザリングが制限されることがあります。勝手に設定変更せず、管理者へ相談。
- たびたび上限超過:利用目的に合わない可能性。容量プランの見直しを。
- 端末の経年劣化:無線機能の弱りやすい個体も。USBテザリングで回避できることがあります。
まとめ
- テザリングは「スマホ=小さなルーター」という考え方で理解すると、原因の切り分けが簡単。
- スマホ側/PC側/電波/契約の4つに分けて順番に確認。
- 迷ったら「スマホだけでネットOK?」→「他の端末でも同じ?」→「接続方式変更」の三段階。
- 周波数(2.4/5GHz)や省電力・上限は要チェック。
- 仕事用PCは管理ポリシーが原因のことも。困ったらプロに相談を。
参考:「インターネット」と「Wi-Fi」は別物。Wi-Fiは「無線でつなぐための規格」であり、インターネットそのものではありません。混同しないと原因特定が早くなります。
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