はじめに:そのパスワード、何回使っていますか?
「IDとパスワード、いちいち考えるのが面倒…」
「どこも同じにしておけば忘れなくて済むし…」
そう思って、同じパスワードを複数のサイトで使い回していませんか?
実はこれ、サイバー攻撃で最も狙われやすいパターンのひとつです。
同じパスワードの使い回しが危険な理由
1. ひとつ漏れたら、全部突破される
1つのサイトで情報が漏れると、
攻撃者はそのIDとパスワードの組み合わせで、他のあらゆるサイトにログインを試みます。
これを「パスワードリスト攻撃」といいます。
例:通販サイトで漏れた情報を使って、あなたのGmailやAmazon、ネットバンキングにログインされるかもしれません。
2. セキュリティの甘いサイトほど漏れやすい
- 小規模な通販サイト
- 古いブログの会員ページ
- メルマガ登録サイト
こうしたサイトはセキュリティ対策が不十分なことも多く、気づかぬうちにパスワードが流出している可能性も。
「どうでもいいサービスだから同じパスワードでいいや」は一番危険!
今すぐできる!安全なパスワード管理の5つの対策
1. パスワードは「サービスごとに別のもの」を使う
最低限、重要なサービス(メール・銀行・ショッピングなど)では必ず違うパスワードを設定しましょう。
「全部変えるのは大変…」という方は、まずは最重要な3つから始めましょう。
これだけでも被害の連鎖を防ぐ効果があります!
2. パスワード管理ツールを活用する
もう「すべてのパスワードを覚える」のは限界です。
安全で複雑なパスワードを自動で保存・入力してくれるツールを使いましょう。
▶ スマホ・ブラウザにある“標準の管理機能”も意外と優秀!
- iPhone(iOS)やMac:Apple純正の「パスワード」管理機能
→ Face ID/Touch ID で保護され、iCloudで暗号化された状態で同期されます。 - AndroidやChromeブラウザのパスワードマネージャー
→ Googleアカウントと連携。2段階認証と組み合わせれば高い安全性を確保。 - Microsoft EdgeでもMicrosoftアカウントと連動してパスワード保護が可能です。
これらの標準機能は、使い回しよりはるかに安全です!
使うなら、OSやブラウザは必ず最新の状態に保ちましょう。
※セルフホスト型のパスワード管理ツールもある
「クラウドにパスワードを預けるのは不安…」という方向けに、
自分自身のPCやサーバーで動かせる“セルフホスト型”のツールも存在します。
たとえば:
- Bitwarden(セルフホスト可能)
- KeePass(PCにインストールして使える)
- Vaultwarden(軽量なBitwarden互換の自ホストツール)
自分の手で管理できる分、安全性と引き換えに「運用責任」も伴います。
セキュリティに自信がある中小企業や技術者向けです。
3. 2段階認証(多要素認証)を必ず設定する
「パスワードだけ」ではもう守れない時代です。
スマホへの認証コードや通知を追加することで、乗っ取りリスクを激減できます。
Google、Amazon、LINE、Microsoft など多くのサービスで対応済みです。
4. パスキー(Passkey)を使う
パスキーとは、「パスワードのいらないログイン方法」です。
生体認証(顔や指紋)や端末認証だけで、ログインできる仕組みで、
Google・Apple・Microsoftなどが採用を進めています。
パスキーのメリット:
- パスワードが存在しないため盗まれようがない
- フィッシング詐欺にも強い
- スマホの生体認証と連携するから早くて便利
すでにGoogle、Amazon、Microsoft、Yahooなどの主要サービスで対応され始めています。
対応サイトではパスキーでのログインに切り替えていくのが理想的です。
5. 流出チェックも習慣に
パスワードがすでに流出していないかを確認できるサイトもあります:
メールアドレスを入力するだけで、過去の情報漏えいに巻き込まれていないかを確認できます。
まとめ:使い回しは「自分の鍵を合鍵にして配っている」ようなもの
危険な習慣 | 今すぐできる改善 |
---|---|
パスワードの使い回し | 最重要サイトだけでも分ける |
頭で覚えている | ツールを使って管理する |
パスワードだけでログイン | 2段階認証やパスキーを設定する |
ご相談ください
- 社員のIDやパスワード、きちんと管理できていますか?
- 退職者のアカウント、放置されていませんか?
- 「どこから何が漏れているのか不明」になっていませんか?
当社では、「困った時に駆け込める、情報システムのかかりつけ医。」として、幅広くサポートいたします!
おわりに
パスワードは、あなたの会社やプライベート情報を守る「デジタルのカギ」です。
「面倒だから…」とそのままにせず、今この瞬間から1つずつ見直すだけで、未来のリスクを減らせます。
今日、ひとつだけでもパスワードを変えてみませんか?