はじめに|知らなかったでは済まされない情報システムのルール
会社のパソコンは「会社の資産」であると同時に、「仕事の成果物を守るセキュリティの砦」でもあります。
しかし、日常的に使っていると「これってやって大丈夫?」「バレなければ平気じゃない?」と、グレーゾーンな行為をしてしまう人も少なくありません。
実際に、セキュリティ事故や情報漏えいの多くは「悪意ある攻撃」よりも「従業員のちょっとした行動」から発生します。
そこで今回は、会社のパソコンで「やっていいこと」と「絶対にやってはいけないこと」をご紹介します。
✅ やっていいこと(OK行為)
1. 業務に必要な範囲での調査・利用
会社のパソコンは「仕事を効率的に進めるための道具」です。
例えば、以下のような行為は問題ありません。
- 業務に関連するWeb検索(取引先情報・業界ニュース・競合調査など)
- 社内システムやクラウドサービスの利用
- 正規ライセンスがある業務ソフトの使用
2. 社内ルールに基づいたファイル共有
クラウドストレージ(OneDrive, Google Driveなど)や社内ファイルサーバーを活用するのは推奨されます。
ただし「個人アカウント」ではなく、必ず「会社が管理するアカウント」で行うことが重要です。
3. セキュリティポリシーに沿ったソフト更新
- Windows Update やセキュリティパッチ適用
- 会社が指定するセキュリティソフトのアップデート
- YouTubeやNetflixを長時間視聴
- 個人のSNS投稿(特に業務中)
- 個人用ショッピングサイトでの買い物
- フリーソフトや非公式アプリのインストール
- ライセンス未購入のソフトを勝手に利用
- 個人のGoogle DriveやDropboxにデータをアップロード
- GmailやLINEなど個人チャットで業務ファイルを送信
- 添付ファイルの誤送信
- 社外クラウドへの保存
- 怪しいメールのクリック
- 「これは業務に必要か?」を常に考える
- 私用アカウントではなく会社アカウントを利用する
- パスワードは絶対に共有・書き出さない
- 社外ネットワーク利用時はVPNを必須にする
- 迷ったら情報システム部に相談する
- 社員にセキュリティ意識をどう浸透させればいい?
- 「やっていいこと・ダメなこと」を分かりやすく周知するには?
- 自社のパソコン管理やクラウド利用、どこまで制御すれば安心?
- サポートやトラブル対応もまとめてお願いしたい!
これらは「自分のため」だけでなく「会社全体を守る行為」になります。
❌ やってはいけないこと(NG行為)
1. 私的利用(SNS・動画・通販の私用アカウント)
こうした行為は業務効率を下げるだけでなく、マルウェア感染や不正アクセスのリスクを高めます。
2. 不正ソフトのインストール
これは著作権侵害・商標侵害のリスクだけでなく、情報漏えいやウイルス感染の温床になります。
3. USBメモリなど外部媒体の無断利用
外部のUSBやHDDを安易に接続すると、マルウェア混入やデータ持ち出しの原因になります。
最近では「USB経由の標的型攻撃」も増えており、社内規則で禁止されていることが多いです。
4. 機密情報の外部クラウド保存
これらは重大な情報漏えいにつながります。
「自宅で作業したいから」と個人クラウドにアップロードするのは絶対NGです。
⚠️ 意外とやりがちなグレーゾーン
1. パスワードを付箋に書いてモニターに貼る
セキュリティ事故の典型例。見た人が誰でもアクセスできてしまいます。
2. 退勤後に子どもへ貸す
「ゲームやYouTubeだけだから大丈夫」…実は大問題!
業務用PCは個人利用が禁止されており、家庭内でも勝手に使わせるのは違反です。
※お勤めされている会社の情報管理規定などによります。ご確認ください。
3. 社外Wi-Fiの安易な利用
カフェや公共施設の無料Wi-Fiは盗聴や改ざんリスクがあります。
会社が用意したVPNを必ず利用しましょう。
🔥 最近のトレンドと事例
サイバー攻撃の温床は「従業員の操作ミス」
IPA(情報処理推進機構)の報告によると、情報漏えい事故の約7割は「人為的なミス」が原因とされています
これらはすべて「日常の油断」から発生します。
AI時代の新たなリスク
生成AIの普及により、業務データをAIにそのまま入力してしまう事故が増えています。
たとえば顧客名簿や契約書のテキストをAIに貼り付けると、その情報が外部サービスに保存され、情報漏えいに直結する可能性があります。
🛡️ 会社パソコンを安全に使うための心得
まとめ
会社のパソコン利用ルールは「社員を縛るため」ではなく「社員と会社を守るため」にあります。
便利さや効率を優先してしまうと、一瞬で大きな損害につながるリスクがあります。
「自分だけなら大丈夫」ではなく、「会社全体に影響する」という意識を持つことが大切です。
ぜひ今日から、安心安全なPC利用を意識してみてください。
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