はじめに|「リカバリー」、あなたは意味を説明できますか?
- Aさん
- パソコンが動かなくなったから、もう買い替えるしかないのかな…
- Bさん
- いや、それ“リカバリー”で直せるかもよ?
パソコンを使っていて、一度はこんな会話をしたことがあるのではないでしょうか。
「リカバリー」という言葉はよく聞くけれど、実際にどんなことを指すのか、説明できる人は意外と少ないものです。
電源が入らない、動作が遅い、エラーが続く――
そんなトラブルに直面したときの“最後の切り札”こそが、リカバリー(復旧)です。
今回は、初心者の方でも理解できるように、
「リカバリーとは何か」「どんなときに使うのか」「注意点」をやさしく整理していきます!
リカバリーとは?
リカバリー(Recovery)とは、パソコンを購入時の状態に戻すことを指します。
つまり、すべての設定やデータを初期化し、システムを“まっさら”な状態に戻す作業です。
この操作を行うことで、
- システムエラー
- 動作の重さ
- ウイルス感染
- ファイル破損
といったトラブルを根本から解決できる可能性があります。
イメージとしては、スマートフォンを「工場出荷時にリセット」するのとほぼ同じです。
リカバリー=“再スタートのためのリセット”
パソコンは長く使ううちに、不要なデータやソフトが溜まり、動作が重くなっていきます。
また、更新や設定のズレでシステムそのものが不安定になることも。
そんなときにリカバリーを行うと、
一度すべてをリセットして、購入直後のクリーンな状態に戻すことができます。
ただし、注意すべき点もあります。
リカバリーを行うと、保存していたファイルや設定がすべて消えてしまうため、
事前にバックアップを取ることが非常に大切です!
リカバリーと似た用語の違い
IT関連では似たような言葉が多く、混同しやすいですよね。
ここで「リカバリー」と「リセット」「リストア」の違いを整理しておきましょう。
用語 | 意味 | 特徴 |
---|---|---|
再起動(Restart) | 電源を切って再び起動する | 軽い不具合の初期対応 |
リセット(Reset) | 一部の設定を初期化する | ネットワーク設定など限定的な初期化 |
リストア(Restore) | バックアップデータから復元する | 保存していた状態に戻せる |
リカバリー(Recovery) | システム全体を初期状態に戻す | 最終手段。データはすべて削除される |
つまり、リカバリーは“すべてを一からやり直す”最終手段です。
リカバリーの方法
パソコンのメーカーや機種によって操作方法は異なりますが、
主に以下の3種類のリカバリー方法があります。
① システム内蔵の「回復領域」を使う方法
最近のWindowsパソコンには、あらかじめ「回復領域(リカバリーパーティション)」が用意されています。
起動時に特定のキー(例:F11やF12)を押すことで、そこから初期化を実行できます。
メリット:ディスク不要で簡単
デメリット:ストレージが故障していると使えない
② リカバリーディスク・USBメモリを使う方法
事前に作成した「リカバリーディスク」や「リカバリーUSB」を使う方法です。
メーカー製PCでは、最初に作成を促されることも多いですね。
メリット:HDDが壊れてもリカバリー可能
デメリット:メディアを紛失すると再作成が必要
③ クラウドリカバリー(Windows 10/11対応)
近年のWindowsでは、インターネット経由でリカバリーできる「クラウドリカバリー」機能があります。
最新のOSを自動的にダウンロードして再インストールできるため、非常に便利です。
メリット:ディスクがなくてもOK
デメリット:ネット環境が必要
リカバリーが必要になる主なケース
「実際、どんなときにリカバリーすればいいの?」という方のために、
代表的なケースを挙げてみましょう。
- Windowsが正常に起動しない
- 画面がフリーズして動かない
- マルウェアやウイルス感染が疑われる
- 不要ソフトの影響で動作が極端に遅い
- システムエラーが頻発する
- パソコンを他の人に譲渡する・売却する
これらに当てはまるときは、リカバリーで解決できる可能性が高いです。
リカバリー前に必ずやっておくこと
リカバリーは便利な反面、一歩間違えると大切なデータを失うリスクがあります。
実行する前に、必ず以下の準備をしましょう。
✅ バックアップを取る
外付けHDDやUSBメモリ、クラウドストレージ(Google Drive・OneDriveなど)に重要データをコピーします。
✅ 電源を確保する
リカバリー中に電源が切れると、かえってシステムが壊れる可能性があります。
ノートパソコンは必ずACアダプターを接続しましょう。
✅ インターネット環境を確認
クラウドリカバリーを利用する場合、安定したネット接続が必要です。
リカバリー後にやるべきこと
リカバリーが終わった後は、パソコンが新品状態に戻っています。
しかし、そのまま使うのはまだ危険です。以下の設定を忘れずに行いましょう。
- Windows Updateで最新の状態にする
- ウイルス対策ソフトを再インストールする
- バックアップしておいたデータを戻す
- 必要なアプリを再設定する
- メーカーのドライバーを更新する
これらを行えば、再び安心して使える環境が整います。
トラブルを防ぐための備え
リカバリーは「困ったときの最終手段」ですが、
日ごろの備え次第で、トラブルそのものを防ぐこともできます。
💡 予防のポイント
- 定期的にバックアップを取る
- 回復ドライブをUSBに作成しておく
- OSやアプリを最新に保つ
- 不審なメールやサイトを開かない
- 電源を急に切らない
これらを意識するだけで、「突然壊れた!」というリスクをぐっと減らせます。
まとめ
リカバリーとは、「パソコンを工場出荷時の状態に戻す操作」のこと。
システムの不具合やウイルス感染など、深刻なトラブルを解決する“最終手段”です。
- リカバリー=パソコンの全初期化
- 実行前に必ずバックアップを取る
- 実行後はアップデートと再設定を忘れずに
困ったときに焦らないためにも、
「どうやって戻せるか」を知っておくことが、トラブル対策の第一歩です。
ご相談ください|「パソコンが起動しない」「データを復旧したい」そんな時に
- 電源を入れても画面が真っ黒のまま…
- エラーが出てWindowsが起動しない
- ウイルス感染後に動作が不安定になった
- リカバリーしたいけれど、どう進めていいかわからない
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