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【今さら聞けない】バックアップとは?“もしもの備え”の基本中の基本

はじめに|「バックアップ」、ちゃんとできていますか?

Aさん
PCが突然つかなくなって、写真も書類も全部なくなりました…。
Bさん
バックアップ、取ってなかったの…?

身近な“あるある”ですが、実はこれ、ちょっとした準備でほとんど防げます。
本記事はITが得意ではない方向けに、バックアップの考え方・やり方・最新トレンドをやさしくまとめました。専門用語はできるだけ噛み砕いています。「何から始めたらいいか」まで具体的にお伝えします。


バックアップとは?一言でいうと「大事なデータの“控え”」

バックアップは、故障・誤削除・ウイルス被害・盗難・災害などのトラブルに備えて、データのコピーを別の場所に保管しておくことです。
ポイントは「別の場所」と「元に戻せる状態」。同じPCの同じフォルダにコピーしても、PC自体が壊れたら一緒に失います。


なぜ必要?「まさか」は急にやってくる

  • 突然の故障:PCやスマホは消耗品。ある日いきなり起動しなくなることも。
  • 誤って消す:上書き・削除・移動ミスは“うっかり”で起きます。
  • ウイルス・ランサムウェア:データが暗号化され、身代金を要求される被害が世界中で発生。
  • 落下・紛失・盗難:モバイル端末は特に要注意。
  • 災害:水濡れ・火災・停電・落雷…物理的被害は想像以上にダメージ大。

“使えなくなって初めて気づく大切さ”。前もって「控え」を作るのがバックアップの本質です。


まず何を守る?“なくなったら困る順”に並べる

  1. 仕事の書類(見積・契約・請求・プレゼンなど)
  2. 写真・動画(家族の思い出・イベント記録)
  3. メール・チャット履歴(取引の証拠・連絡先)
  4. 会計・顧客データ(取り返しがつかない重要情報)
  5. 設定情報(ブラウザのブックマーク、アプリ設定、Wi-Fi情報 など)
  6. スマホの連絡先・メモ・カレンダー

コツ:“置き場所”の一覧を紙でも作る(PCの「ドキュメント」「デスクトップ」、外付けドライブ、クラウド、スマホ 等)。棚卸しが第一歩です。


これだけは覚えてほしい|バックアップの基本ルール「3-2-1

  • 3:データのコピーを3つ用意(原本+バックアップ2つ)
  • 2異なる種類の媒体に保存(例:PC、外付けHDD、クラウド)
  • 11つは別の場所に保管(オフィス外・クラウドなど)

最近は、“オフライン(ネット未接続)や変更不可の保管”も注目されています。ランサムウェア対策として、外付けドライブを必要な時だけつなぐ、クラウドで世代管理(バージョン履歴)を有効化する、などが効果的です。


バックアップの「方法」と「保存先」——どれを選べばいい?

1) 保存先(媒体)

  • 外付けHDD/SSD
    • メリット:一度買えば容量大・ランニングコスト小。
    • 注意:落下・劣化に弱い。普段は外して保管するとウイルス対策にも◎。
  • NAS(社内の共有ハードディスク)
    • メリット:複数人で共有、自動バックアップ可能。
    • 注意:機器トラブルや災害対策に“外部コピー”が必要。
  • クラウドストレージ/クラウドバックアップ
    • メリット:場所に依存せず、災害にも強い。世代管理や復元が簡単。
    • 注意同期=バックアップではない(後述)。容量と費用を確認。

2) 取り方(方式)

  • フルバックアップ:丸ごと全部。復元が簡単。時間と容量は大きめ。
  • 差分・増分:前回から変わった分だけ。容量節約。復元は手順が増える。
  • 自動スケジュール:“人の手を介さない”のが成功のコツ。週1や毎日夜など。

3) 頻度の目安

  • 毎日:仕事の書類、会計データ、顧客情報
  • 週1:写真・動画(大量に増える時期は頻度UP)
  • 都度:大事な作業の前・後(プレゼン当日など)

ここ、よく誤解されます(やさしく解説)

  • 「クラウドに入れてる=バックアップ」ではない
    同期サービスは同じ状態を保つ仕組み。誤って削除すると他の機器からも消えることがあります。“バージョン履歴/ごみ箱の保持期間”を確認し、別系統のバックアップも用意しましょう。
  • RAIDはバックアップじゃない
    機器の故障に強くする仕組みで、誤削除やウイルス、盗難には無力。別場所のコピーが必要です。
  • スマホの“最適化”で写真が端末から消えることがある
    端末の空き容量を増やすための機能です。クラウド側の実体バックアップを混同しないよう注意。
  • USBメモリ1本だけは危険
    小さくて便利=なくしやすい。壊れやすく、ウイルスの媒介にもなります。

失敗しない設計の考え方(むずかしい言葉は使いません)

  • どこまで戻せれば良いか(RPO)
    昨日の状態に戻せればOK?」それとも「1時間前」?
  • どれくらいで復旧したいか(RTO)
    半日止まっても大丈夫?」それとも「30分以内」?

目安:個人や小規模オフィスなら、RPO=1日以内/RTO=半日以内を狙うと、コストと安心のバランスが良いです。


すぐ始められる“最低限のレシピ”

  1. 大事な場所の棚卸し(PCの「ドキュメント」「デスクトップ」、写真フォルダ、メール、会計ソフトのデータ保存場所 など)
  2. 外付けHDD/SSDを1台用意(原本とは別の媒体)
  3. クラウドも1つ用意(別の場所の原則を満たす)
  4. 自動バックアップを設定(毎日夜にPC→外付け、週1でPC→クラウド など)
  5. 月に1回“復元テスト”(戻せなければ、取っていないのと同じ)
  6. バックアップ先の“暗号化”と“パスワード保管”(ノートに控えて金庫や引き出しへ)

ひと工夫:「作業フォルダ」を1か所に集約しておくと、どれを守るかが明確になります。


今どきのトレンド(ムズカシくない範囲で)

  • 世代管理(バージョン):過去の状態へ戻せる“タイムマシン”。
  • スナップショット:NASやクラウドで“瞬間冷凍”する仕組み。ランサムウェア対策に◎。
  • オフライン/イミュータブル(変更不可):USBを普段は外す、または変更ができない領域に保存。
  • 端末+クラウドの“ハイブリッド”:通信障害でもローカルが残り、災害でもクラウドが助けてくれる。
  • 監視と通知:バックアップの失敗を知らせるアラートは心強い味方。

セキュリティとプライバシーも忘れずに

  • 暗号化:外付けドライブやクラウドのデータはカギのかかった金庫にするイメージ。
  • 二段階認証:クラウドのログインを“合鍵2本”に。
  • 共有設定の見直し:社外にうっかり公開していないか定期チェック。
  • 保存期間のルール:古いデータを永遠に残すと漏えいリスクコスト増に。
  • 個人情報:名簿・履歴書・健康情報などは取り扱いを厳格に

チェックリスト|今日やること5つ

  • 守るものリストを作る(場所とフォルダ名を書き出す)
  • 3-2-1のうち、足りない“1”を埋める(外付け or クラウド)
  • 自動バックアップを予約(毎日/週1)
  • 復元テストを1つだけやってみる(1ファイルでOK)
  • パスワードと復元手順を書き残し、紙で安全に保管

まとめ|“データの命綱”は、今日から作れる

  • バックアップ=大事なデータの控えを、別の場所にもつくること
  • 3-2-1で、故障・誤削除・ウイルス・災害に強くなる
  • 同期とバックアップは別もの。世代管理と復元テストが命
  • 自動化して“手放し”に。月1で復元テスト

大切なのは完璧より継続。まずは“最低限のレシピ”から始めて、少しずつ強くしていきましょう。


ご相談ください|「バックアップが不安、社内のデータ保護をどう整えればいい?」そんな時に

  • 自社の現状(端末・サーバ・クラウド・運用ルール)をシンプルに可視化したい
  • PC/スマホ/NAS/クラウドの混在環境を自動バックアップにしたい
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